イタリアの高級スポーツカー・ランボルギーニを忠実に再現した段ボール製の「ダンボルギーニ」が引退した。宮城県女川町に展示されて約7年。観光客だけでなく、視察した上皇ご夫妻を驚かせたほど作りは精巧だったが、制作した会社が3日に展示スペースを閉じた。
ピンク色の車体は、海沿いの商店街「シーパルピア女川」の一角に鎮座していた。梱包(こんぽう)資材会社「今野梱包」(同県石巻市)が運営する「Konpo’s Factory(コンポズファクトリー)」だ。
2015年のオープン以来、多くの観光客らが訪れ、16年には上皇ご夫妻(当時は天皇皇后両陛下)も視察した。皇后陛下は「震災の時にも、避難所などで段ボールは活躍していましたね」と関心を示したという。
もともと、町を離れる若者が絶えないことを危惧した今野梱包の今野英樹社長(50)が「自分の夢や憧れを形にして世間を『あっ』と言わせよう」と制作を思いついた。世界に通用する技術があることもアピールしたかった。
ネットで集めた画像や模型などを参考に、小型版を作ってイメージを膨らませ、実物大を社員と一緒に完成させた。約500のパーツから成り、車体の隙間から見えるエンジンなど、細部までこだわった。
高校の同級生でもある女川町…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル