愛知県半田市で2015年12月、県営住宅の一室が全焼し、ブラジル国籍の姉妹が遺体で見つかった殺人・放火事件で、名古屋地検は18日、ペルー国籍の無職ラ・ロサ・ビテ・エドガルド・アントニー容疑者(34)を殺人、現住建造物等放火、死体損壊の罪で起訴した。地検は認否を明らかにしていない。
起訴状などによると、同容疑者は15年12月30日、半田市一本木町2丁目の県営住宅3階の一室で、元内縁の妻アマリリア・マルヤマ・キンベルリ・アケミさん(当時27)と、姉ミシェリさん(同29)の首を圧迫して殺害。ガソリンをまいて何らかの方法で火を放ち、遺体を焼損したとされる。
愛知県警は昨年12月、同容疑者を現住建造物等放火容疑で逮捕。その後、殺人容疑で再逮捕していた。県警によると、同容疑者は09年ごろアケミさんと知り合い、一時同居したが、事件の数カ月前に別れて車上生活をしていたという。
捜査関係者によると、同容疑者はアケミさんに復縁を求め、交際を反対するミシェリさんともトラブルになっていた。事件については逮捕直後から、一貫して黙秘しているという。
同容疑者の供述が得られず、直接証拠が乏しい中、捜査当局は、同容疑者が持っていた電子機器の位置情報を新たに解析するなどして、間接証拠を積み重ねた。同容疑者は強制送還の対象だったが、この日の起訴を受けて身柄拘束が続き、日本で裁判員裁判を受ける見通しとなった。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル