殺到した電凸、対話難しく 表現守る「社会的距離」とは

 表現が気にくわないと、電凸(でんとつ)と呼ばれる電話などによる攻撃が殺到した昨年の「あいちトリエンナーレ」。対話が難しい現実を経験したことで、来場者を限定して「社会的距離」を取る模索を始めた美術家たちがいます。

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の出品作家で、2人組のアートユニット・キュンチョメは今年5月、東京都内で、来場者が許可制という美術展「ダークアンデパンダン」に参加した。「人に見せるために作っていない」作品を展示し、「見たことを口外しない」という合意書に署名した人だけが来場できる実験的な美術展だった。

 ユニットの一人、ナブチさん(36)は「あいち以降、インターネット情報だけで攻撃される時代になった。それ、つきあう必要ないんじゃないか。自分たちの表現を守るという表現手段の模索だ」と語る。来場が許可されたのは、秘密を守れる人、美術館館長などで見ざるを得ない人らで、作家側が選んだ。「美術展も、コロナ禍で求められる『社会的距離』を考える時だ」と思っている。

「死ね」と書かれた付箋

 ナブチさんは昨夏、芸術祭の企…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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