母と紡いだ「へ・つ・た」 編み出した独自話法 絶望の底から国会へ

 天畠(てんばた)大輔(40)はこの夏、国会議員になった。参院選比例区で、れいわ新選組から出馬、特定枠で当選した。

 天畠は1日24時間365日、介助者が常にそばにいなければ、生きていくことができない重度の障害者だ。

 四肢がまひし、ひとりでは動くことも声を出して話すこともできない。視覚は色や立体がある程度わかるが、文字は読めない。水の中で目を開けたような感じだという。また、意思と関係なく体が勝手に動き、筋肉の緊張が起こって、頻繁にあごが外れる。あごが外れると息ができなくなるため、だれかがそばにいて、あごを戻してくれなければ死んでしまう。

天畠大輔さんは、体を動かすことができないだけでなく、自らの口で言葉を発することができません。日常生活のすべてをほかの人にゆだねなければならない天畠さんですが、周囲にはいつも介助者たちの笑顔があふれています。約10年前に天畠さんと出会い、講演や海外視察にも同行し、親交を深めてきた大久保真紀編集委員が、天畠さんと介助者たちの物語をつづります。天畠さんとは直接、あるいはメールでやりとりをしました。

 14歳のときに急性糖尿病になり、医療ミスで心肺停止状態になったのが原因だ。当時の医師の診断は「植物状態で知能も幼児レベルに低下した」だった。

 だが、半年後。病室で息子が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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