結果がすべてのプロの囲碁界で、母親となった棋士が鮮やかな復活を遂げた。13年ぶりとなるタイトル獲得を果たした鈴木歩(あゆみ)女流棋聖(36)。5歳と2歳の育児に追われ、碁の勉強にかける時間は独身時代と比べてめっきり減った。なのに、成績は上昇気流を描くように。本人も「不思議」と言うが、気づかされたことがあるという。
2月、女流棋聖戦三番勝負でタイトルホルダーの上野愛咲美女流本因坊(18)を2勝1敗で破り、2007年以来のタイトルを獲得した。女流囲碁界は20歳前後の若手棋士の躍進がめざましく、女流5タイトルは上野と藤沢里菜女流立葵杯(21)の2人で分け合っていた。特に上野は昨年、男女全棋士が参加できる一般棋戦で女性初の準優勝を成し遂げた。その若手を代表する実力者を、ひと回り以上も年上の鈴木が下したことが、囲碁界を驚かせた。
「私自身が一番驚いています」と鈴木。
かつては、自身も若手の注目株だった。プロ入り3年目の03年、20歳の若さで女流最強戦に優勝。07年にも同タイトル戦で優勝してトップを張った。ところが11年の東日本大震災が彼女を打ちのめした。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル