「性暴力は許さない」。女性らが花やカードを手に街頭に立つフラワーデモが2019年、全国で広がった。福岡でのデモは11日で丸2年が経った。最初はむしろ「傍観者」として参加したという女性は、街頭に立ち続けるうち、母親と自分の「被害」に向き合うようになった。
3月11日、福岡市中央区の警固公園でのフラワーデモ。その女性はマイクを握り、語り始めた。
「私は被害者側だったのかもしれない」
知人の誘いで、19年6月から街頭に立っている。はじめは、ジャーナリストの伊藤詩織さんの性被害の訴えや、同意のない性行為でも暴行や脅迫がなければ罪が成立しないことに、憤りを感じて参加した。「その時は、当事者というより傍観者という感じだった」と振り返る。
デモで性被害の訴えを聞き、知り合いからの被害が多いことを知った。ふと、以前に性被害に関する講演会で聴いた支援者の言葉を思い出した。「当事者は自分の体が現場なんです」
母親から聞いた話と結びつき、愕然(がくぜん)とした。「母にとっての『現場』は私だったのではないか」
幼い頃からの不可解な出来事、戸籍を見ると…
母親は11年に亡くなった。死の1、2年前、何げない会話の中で、淡々と告白を始めた。「(実兄と)1度だけあった。妊娠はしていない」
戦後間もない頃だ。長男であ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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