4日に開幕した「さっぽろ雪まつり」のシンボルとなっている大通会場の大雪像群。5基のうち3基の制作はNPOなどを中心に民間が担い、今年は4年ぶりに市民ボランティアも関わった。高さ15メートルにもなる雪像をどうやって作るのか。札幌に転勤して2年目の記者もボランティアを体験した。
記者は昨秋、札幌市の広報誌でボランティア募集の記事を見て「せっかく札幌に来たのだから」と応募。1月に3日間(計10時間)、大通7丁目会場の大雪像作りに参加した。
雪像のテーマは、19世紀に建てられたドイツの「ノイシュバンシュタイン城」。実物の約5分の1の大きさを再現する計画で、高さ13メートル、幅24メートル、奥行き16メートル。7丁目会場では毎年、国際交流の一環で世界各国の建築物を作っている。
ボランティア初日の1月20日、現場ではすでに城の大まかな形ができ上がっていた。それもそのはず。制作は7日に始まっていた。
基礎雪と化粧雪
制作はまず、雪像の大部分を占める「基礎雪」の運び込みから始まる。基礎雪に使われるのは不純物の入っていないきれいな雪だ。土や落ち葉、融雪剤などが入っていると、太陽光で崩れやすいからだという。
そこで、近郊の未除雪の道路や公園などからダンプカーで運搬する。今年は1月上旬時点で市内の雪が少なく、近隣の当別町や新篠津村で採雪したという。
基礎雪を積み上げると、チェーンソーやスコップなどで像の形を粗く削り出す。その表面に、より不純物が少ない真っ白な「化粧雪」と言われる雪を貼り付け、細部を仕上げる。
化粧雪は約40キロ離れた中山峠で採り、汚れないようダンプの荷台にシートを掛けて運んでくる。そのままではサラサラの粉雪で貼り付かないため、適度に水を混ぜ込んでから使う。加工された化粧雪は「シャーベ」や「ネタ」と言う。
雪の壁づくりに挑戦
今回記者が主に担ったのは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル