水俣病、公式確認から64年 遺族「何も終わってない」

 水俣病は1日、公式確認から64年を迎えた。熊本県水俣市で患者団体「水俣病互助会」(上村好男会長)による慰霊祭が営まれ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため患者遺族ら関係者のみが集い、公害の犠牲となった人たちに祈りを捧げた。例年、環境相らが出席して水俣湾埋め立て地で営まれる水俣病犠牲者慰霊式は感染拡大防止のため延期された。

 水銀汚染で失われたすべての命をまつる「乙女塚」での慰霊祭は今年で40回目。13人がマスクをし、座席の間隔を広くあけて参列した。読経の中、一人ずつ焼香し、じっと手を合わせた。

 母の坂本フジエさんを昨年10月に亡くした胎児性水俣病患者の坂本しのぶさん(63)は慰霊祭後の取材に「水俣病は何も終わっていない。私たちが何十年も苦しんできたことを考えてほしい」と語った。

 水俣病は1956(昭和31)…


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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