水星に向けて飛行している探査機「みお」が10日、最初で最後となる地球「スイングバイ」に挑み、地球の重力を利用して水星への軌道にかじを切った。地球の撮影に成功したほか、地球からも上空を飛び去る姿が確認された。みおはこの後、さらに金星で2回、水星で6回スイングバイし、2025年12月に水星を回る軌道に入る。
みおは日本時間10日午後1時半ごろ、地球に約1万2600キロメートル(地球の直径1個分)まで近づき、大きく方向を変えた。
日欧が協力する水星探査「ベピコロンボ計画」の探査機で、欧州の探査機「MPO」とともに18年10月に打ち上げられた。計画名はイタリアの天文学者にちなむ。7年で約90億キロの長旅のうち、これまでに約14億キロを飛行した。
水星は太陽に最も近い惑星のため、表面の温度は約430度に達し、太陽からの強烈なプラズマの流れにさらされている。みおは、過酷な環境にある水星の磁場がどうなっているのかなどを調べる予定だ。(小川詩織)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル