水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、同社が他の複数の薬についても厚生労働省の承認外の作業手順で製造していたことがわかった。厚労省幹部が報道陣に明かした。厚労省と福井県などは21日、医薬品医療機器法違反の可能性があるとして、製造した小林化工(福井県あわら市)に合同で立ち入り調査に入った。同省が調査に入るのは初めて。混入原因の全容解明に向けて調査を進める。厚労省幹部は報道陣に「業務停止命令は免れない」との見方を示した。
同日午前9時前、厚労省と県、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)の担当者計約10人が同社に入った。県などによれば、調査は数日間予定され、工場の作業員らの聞き取りや製造工程、出荷前検査の記録などをチェックする。厚労省は薬の製造を承認し、県は同社に医薬品販売業の許可を出していた。承認した薬の成分と異なる成分の薬を流通させたことが同法違反にあたる可能性があるとみている。
同社によれば、問題の薬は31都道府県の医療機関などで364人(うち2人死亡)に処方された。19日時点で156人が意識消失などの健康被害を訴え、34人が入院または救急搬送された。服用の影響とみられる交通事故は22件にのぼる。(平野尚紀、鈴木智之、三井新)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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