水道水から目安上回るPFOS 昨夏把握も未公表 沖縄・金武町

寺本大蔵

 沖縄県金武町(きんちょう)は1日、町内の水道水から昨年、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)」などの濃度が、国の目安を上回る値で検出されていたと発表した。町は昨年7月の時点で調査結果を把握しながら公表していなかった。町上下水道課は「水質の調査期間が終了する2022年度に町民に説明する予定だった」としている。

 町によると、昨年6月22日に2地点の水道水を調査。PFOSなどが1リットルあたり70ナノグラムと50ナノグラム検出された。国が設ける水道水や河川、地下水の水質管理の目安(暫定目標値)は、1リットルあたり50ナノグラム以下。2地点に水を供給する配水池の給水人口は約2300人で、町は現時点で町民の健康被害の報告はないとしている。

 町の水道水は県が管理するダムの水と、地下水が混合している。当時、地下水の水源となる井戸9地点も調査したところ、4地点で目安を超え、最大で410ナノグラムだった。4地点の井戸はいずれも米海兵隊キャンプ・ハンセンから100メートル以内にあるが、米軍との関連は不明という。

 この調査結果を受け、町は昨年7月以降、水道水におけるダム水の比率を高め、PFOSなどの数値は低下。今年7月27日に水道水の同じ2地点を調査した結果は15ナノグラムと4ナノグラムだった。町は今後、全てをダム水に切り替える方針。(寺本大蔵)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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