岐阜県山県市が発注した工事の指名競争入札をめぐり、入札前に指名業者の社名を特定の業者に伝えるなどして落札させたとして、岐阜県警は29日、当時の市水道課課長補佐(現・農林畜産課課長補佐)の土田哲也容疑者(51)=同市藤倉=を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害(偽計入札妨害)の疑いで逮捕し、発表した。
落札した水道施設工事会社・三愛物産(名古屋市)の岐阜支店長、柏木博文容疑者(59)=愛知県岩倉市本町上郷裏=も公契約関係競売入札妨害(偽計入札妨害)の疑いで逮捕した。
県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、逮捕容疑となったのは、山県市が発注した高富水源地にある配水ポンプ制御盤の更新工事。2021年6月の指名競争入札に7社が参加し、三愛物産が2780万円(税抜き)で落札した。予定価格は2967万円(税抜き)で、事前に公表されていた。
土田容疑者は同年5月上旬ごろ、三愛物産が入札で有利になるように、柏木容疑者から入札に参加させたい指名業者の社名を聞き取り、指名業者の選定案を作成。この案をもとに庁内の選定委員会で指名業者が決まると、非公開にもかかわらず社名を柏木容疑者に教えて同社に落札させた疑いがある。
市によると、入札に参加した指名業者7社は、いずれも選定案に示された業者だったという。
記者会見した久保田裕司副市長は「逮捕を重く受け止めている。市民の信頼を失うことは残念でならない」と話した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル