臼井昭仁
昭和時代の家電などの収集に力を入れてきた愛知県大府市の市歴史民俗資料館(桃山町5丁目)。予想以上に寄付が相次ぎ、所蔵品は1万2千点といっぱいとなった。残る8ミリ映写機など十数種の「お宝」の寄付を呼びかけている。
同館は1980(昭和55)年の設立。当初は農家が使っていた古い民具を集めていたが、後に昭和に販売された家電や雑貨、玩具などの収集と展示を主に進めるようになった。
1階の常設展示では、所蔵品のラジオや炊飯器、ちゃぶ台などを並べて昭和30~40年代の暮らしや町並みを再現した。テレビやカメラなどは種類が豊富で、例えばアイロンだと電気、炭火、コテ、火のしと時代別に展示する。洗濯板で服を洗う体験教室も開く。
いずれも市内外からの寄付で、毎年100点ほどあるという。ただ持ち込まれる品と所蔵品との重複も増えてきており、断らざるを得ないケースが多くなってきた。
館内では、所蔵していない品々をイラストつきで知らせている。「ゴミがお宝に大変身するかも」とうたって寄付を求めてきた。これまでに、アルマイトの水筒やすだれ、電灯、ローラースケート、ペナントなど大半を入手でき、「GET」の紙を貼っている。
残るは十数点。8月現在、8ミリ映写機(使用可能品)や脱水ローラー式洗濯機、家具調のカラーテレビ、4灯ヘッドライトが付いた自転車、ペダル式ベビーカー、1ドア冷蔵庫などだ。担当学芸員は「昭和の製品は形、機能で個性があるが放っておけば無くなってしまうので収集に努めてきた。関心も高いのでもし心当たりがあれば寄付をしてほしい」と話す。問い合わせは同館(0562・48・1809)。(臼井昭仁)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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