「一瞬笑えて、後からジワジワ考えさせられる」。そんな歴史学の論文だけを掲載する、新しい学術誌の創刊に向けた動きが進んでいる。
学生に歴史学の面白さを伝えるのが目的で、「イグ・ノーベル賞」の歴史部門とも言えるような存在になれば、と関わる研究者は期待を込める。硬派なテーマや専門的な内容の学術誌がほとんどの中で「笑い」に焦点をあてたものは珍しいという。
愛好家、一般の人からも募集
雑誌名は、ラテン語で「冗談のような歴史」を意味する「Historia(ヒストリア) Iocularis(イオクラリス)」。創刊に向けて、「笑えて考えさせられる歴史学論文」(3万2千字以内)や「史料調査の中で見つけた誰かに言いたくなる小ネタや論文の構想」のコラム(1万2千字以内)などを募集している。来年7月ごろに電子ジャーナルとして発行する予定だ。
投稿は、大学の学生や研究者に限らず、他の仕事をしながらも歴史の研究を続ける愛好家や、一般の人からも幅広く受けつける。大学の教員が務める編集委員の査読を経て、掲載を決める。集まった論文は大学の講義で活用され、読み物としても楽しんでもらいたいという。
発起人は、京都府立大学文学部の池田さなえ准教授(35)。6月に創刊準備室を立ち上げた。「歴史オタクから研究者に転じた」と自称する池田さんは、高校生のときに読んだ司馬遼太郎の小説「幕末」がきっかけで、日本史の「沼にはまった」。
元歴史オタクはなぜ、自ら学術誌の創刊を手がけることになったのでしょうか。背景には若手研究者の共通の悩みがありました。
歴代総理大臣の写真を眺め…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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