江戸時代からまわる三連水車の技、腕きき大工が継承「これも縁」

 福岡県朝倉市の国史跡「三連水車」が17日、今年も回り始めた。川より高い田に水を送る日本最古級の現役水車。資金難や技術の継承問題などで存続が危ぶまれていたが、技を継ごうとする若者が現れ、関係者はひとまず胸をなで下ろしている。

 筑後川にある山田堰の水門がこの日開けられ、堀川の水位が上がると、流れに押された水車が勢いよく回り始めた。木のひしゃくが水をくんでは樋(とい)にザーザーと流しこむ。橋本武治さん(43)は「水車を見たことはあったけど、携わったのは初めて。無事に動いてよかった」と話した。

 三連水車は江戸時代にできた。いまや観光名所だが、現役の農業施設。近くの二連水車2基と合わせて35ヘクタールの田を潤している。農家約千戸でつくる山田堰土地改良区が所有し、農家から集めたお金で、田んぼに稲がある時期だけまわす。

 地元唯一の水車大工、妹川幸二さん(65)は改良区に頼まれて30年以上、毎年の組み立てや稼働中の見回りを引きうけてきた。「二百何十年続いたものを終わらせるわけにいかん」という一念でやってきたが、数年前から体調が悪化して酸素吸入が必要に。後継者を探していたが、責任の重さに難航していた。

 救世主となったのが市内に住…

この記事は有料記事です。残り607文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment