「集中率1位は北海道。分散率1位は茨城県」。10月下旬、こんな短文とともにツイッターで公開された日本地図が注目を集めた。
社会における所得分配の平等・不平等を測るジニ係数を応用し、都道府県ごとに人口の集中度合いを示した「人口分布ジニ係数」を落とし込んだ。0から1までの値で、0に近いほど分散しており、1に近いほど集中していることを表す。
〈人口分布ジニ係数〉人口の分散や集中の度合いを測る指標の一つ。人口と可住地面積を計算式に当てはめて0から1までの値をとる。国土交通省などが全国における人口分布の推移について、この指標を使って調べている。
地図は値に応じて色分けされ、北海道や高知では人口が特定の都市に集中している一方、茨城や福井では多くの市町村に散らばっていることが一目で分かる。
分散の度合いは、茨城が0・22で1位、栃木は0・273で7位、群馬は0・339で28位だった。集中の度合いは北海道、高知、鹿児島の順に高かった。
京都大大学院修士課程の重永瞬さん(26)が地図を作って投稿した。京都市出身で、人文地理学を専攻している。2022年1月には「統計から読み解く色分け日本地図」(彩図社)を出版した。
重永さんは「茨城は人口が各都市に散らばっているイメージがあると、以前から地理好きの間で話題になっていました。ただ、散らばりを示す具体的な数値は見たことがありませんでした」と話す。
重永さんのアカウント、永太郎(@Naga_Kyoto)でツイートした地図は、国内の全市町村の人口や可住地面積のデータを集め、人口分布ジニ係数を計算して作った。
「今までのデータでは見えなかった日本の姿が見える」「新しい観点の地図で面白い」。こんなコメントとともにツイートは拡散された。
茨城県民からの反応は特に大きかった。「茨城県は東京以上にまんべんなく人が住んでいるということ」「茨城県は昔から日立、水戸、土浦の主要3都市が適度に離れて発展し、今はつくば、守谷、神栖とこれまた適度に離れた都市が発展している」。こんなコメントが寄せられた。
茨城県の人口は、22年12月時点で、約284万人。全国で11番目に多いが、政令指定都市はない。最大都市は県庁所在地の水戸市で約27万人。つくば市が約25万人、日立市が約17万人と続く。他にも10万人を上回るひたちなか市、土浦市、古河市、取手市が県内各地に散らばっている。
記事後半では、なぜ茨城の人口がこれほど分散しているのかを探ります。47都道府県の人口分散度合いランキングも掲載します。
なぜ茨城の人口はこれほど分…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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