池江さんに向かった五輪批判 やり場のない不満の表れか

 競泳日本代表の池江璃花子さん(20)のSNSアカウント宛てに「(東京五輪)反対に声をあげてほしい」とのコメントが寄せられ、池江さんは「私は何も変えることができない」などとつづった。テニスの錦織圭さん(31)は「これだけ死者が出ていることを考えれば、死者を出してまで行われることではないと思う」と発言した。五輪をめぐるアスリートの発信をどう考えたらいいのか。

 「いつも応援ありがとうございます」

 池江さんは7日夜、そんなあいさつから始まる計約600字のメッセージをツイッターに投稿した。自身のツイッターインスタグラムに「辞退してほしい」「反対に声をあげてほしい」などのコメントが寄せられているとし、「中止を求める声は当然」としつつ、「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません」「非常に心を痛めたメッセージもありました。(略)選手個人に当てるのはとても苦しいです」と心情を吐露した。

 ツイートは十数万件転載され、「抗議する矛先が間違っている」「全く気にせずスルーしてください」など、池江さんを擁護するコメントが相次いだ一方、「黙ってる方がまだマシ」と批判的な受け止めもあった。また、「辞退を求める声に対しての批判は当然だけど、それに絡めて五輪反対の声を批判するのもおかしい」などと議論が広がっていった。

「筋違いだし、失礼極まりない」 ただ違和感も…

 「アスリートが非難されることが、そもそもおかしい」。1996年のアトランタ五輪に出場した元競泳選手で、国連児童基金の教育専門官、井本直歩子さんはこう話す。「多くの人は、アスリートが五輪を開催してほしいと願っていること、開催は難しい状況にあることを理解し、この現状をつらい気持ちで見守っているはずだ。ただ、ネットではどうしても『アンチ』の人の意見が目立つ。アスリートは振り回されすぎないよう願っています」

 池江さんがしたような発信を…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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