増山祐史
東京・池袋で2019年に起きた車の暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)を名指しし、警視庁本部に「殺しに行く」などと電話したとして、警視庁は19日、無職の吉村育久容疑者(62)=鳥取市青谷町=を脅迫の疑いで逮捕し、発表した。「脅迫したことは間違いない」と容疑を認めているという。
目白署によると、吉村容疑者は昨年10月28日、警視庁本部に電話をかけ、職員に「池袋の暴走事故のことで裁判があったと思うんだけど被害者を殺す」と言い、転送された目白署員に「あいつやりすぎなんだよ。俺は暴力団だけど、そのうち殺しに行くから」と話し、松永さんを脅迫した疑いがある。2人に面識はなく、吉村容疑者が暴力団組員だった経歴はないという。
「心の傷は、まだ癒えません」 松永さんがコメント
松永さんが警視庁から受けた説明では、吉村容疑者は電話で、「歳(とし)のいった受刑者に金を払わせるのはおかしい。近いうちに松永を殺す」など話したという。電話前日の昨年10月27日、暴走した車を運転していた90代の受刑者に、約1億4660万円の損害賠償を支払うよう命じる判決が東京地裁で出ていた。
別の事件の捜査中、吉村容疑者が脅迫に関与した疑いが浮上し、警視庁が捜査していた。逮捕を受けて松永さんは19日、「加害者が逮捕されたという知らせを受けひとまず安堵(あんど)しています。しかし、この出来事が引き起こした心の傷は、まだ癒えません」などとX(旧ツイッター)に投稿した。(増山祐史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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