北海道・知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、海上保安庁の委託を受けた民間業者が23日、引き揚げに向けた作業を再開し、水深約120メートルの海底に沈んでいたカズワンを海面近くまでつり上げた。このまま水深の浅い地点へ向かい、24日にも台船上に引き揚げる予定だ。
上空からの映像では、海面近くでうっすらとカズワンの白い船体が見える。関係者によると、船は前方の窓ガラスが割れているという。海保は引き揚げ後、船体の詳しい状態を調べ、事故原因の究明を進めていく。
23日は朝から潜水士がカズワンの船尾にロープを取り付け、台船から巻き上げて浮かせた後、海底との間にできた隙間につり上げ用のベルトを差し込んだ。船体に過度な力が加わらぬよう、ワイヤではなく、幅の広いナイロン製のベルトを複数、バランスを考慮して配置。約1時間かけて水深約120メートルから約20メートルへとつり上げられた。「飽和潜水」で予定された作業はこれで完了したという。
カズワンの船体は繊維強化プ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル