新型コロナウイルスの感染の急拡大を受けて沖縄、山口両県内では、市町村などが主催する成人式の延期や中止の決定が相次いでいる。
「まん延防止等重点措置」の適用対象で、9日に予定されていた式の延期が決まった山口県岩国市内の貸衣装店では7日、店員らが対応に追われていた。
市中心部の麻里布町にある大進創寫舘(そうしゃかん)岩国店の2階では、着付けのために用意した振り袖や帯、小物セットがずらり。市内の予約分だけで約140人分あるという。1人分ずつ衣装ケースに入れていた振り袖をしわにならないよう取り出す作業が続いている。店長の向井直美さん(38)は「急ピッチでやることが多いが、なんとか乗り切りたい」と話す。
市が延期を発表したのは4日。すぐに予約客に電話をかけ、やっと半数以上と連絡がついた。向井さんは「追加料金なしで日程変更できるので、ほとんどはキャンセルなしで済んでいるけど、この先は見通せない。早く日程が決まってほしい」と気をもんだ。
山口県内では、岩国市に隣接し、重点措置の適用対象の和木町など県東部の市町で式の延期が相次いでいる。
沖縄県では、8日以降に成人式を予定していた24市町村のうち14市町村が中止や延期を決めた。開催する市町村も、会場で抗原検査をしたりマスクを配布したりといった対策をとるという。
9日に市内17中学校区ごとに式を開催予定だった那覇市では全校区が中止や延期に。浦添市は2部制で開くことも検討したが、8月に延期。座間味村は6日、式に参加予定だった12人の新成人に中止の決定を電話連絡した。担当者は「みんな『感染拡大が急だから仕方がないね』という反応だった」。後日、祝いの品を送付するという。
名護市は式に出席する新成人を代表らに限定し、その様子をYouTubeにオンライン配信する。南城市は式は取りやめ、記念撮影のみとする。(前田健汰、棚橋咲月、吉田啓)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル