北京冬季五輪で盛り上がりをみせたウィンタースポーツ。北海道や新潟、長野など雪国出身の選手が多いが、南国沖縄でもフィギュアスケートやアイスホッケーの競技者がじわりと増えている。四半世紀前にできた県内唯一のスケートリンクが、子どもたちの夢を支えている。
那覇空港から車で約20分の沖縄県南風原(はえばる)町。小高い丘の斜面にスポーツ娯楽施設「サザンヒル」はある。
沖縄でも吐く息白く
北京大会まっただ中の今月14日、縦約60メートル横約30メートルのリンクでは学生や親子連れ、米軍関係者ら約30人がスケートを楽しんでいた。場内の温度は8度ほど。吐く息は白く、20度近い屋外とは別世界だ。
沖縄唯一のスケートリンクがある「サザンヒル」は、ボウリング場や岩盤浴が併設された県民憩いの場です。羽生結弦選手や紀平梨花選手も滑りに来たことがあります。記事の後半では、そのリンクを舞台にしたカーリング漫画の秘話を紹介します。
オープン当初から支えてきた支配人の儀間真実(ぎままさみ)さん(57)によると、1972年以前の米軍統治時代も本土復帰後も県内にリンクはあった。約1千人がリンクにひしめき合いながら楽しんでいた時期もあったというが、維持費や客足の不安定さから長くは続かなかった。そんな中、県内のスポーツ施設運営会社の社長が97年、「沖縄でアイススケートは無理」と融資を渋る銀行を押し切ってオープンさせたのが、いまのリンクだ。
軌道に乗るまでの道のりは長…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル