沖縄での自衛隊急患輸送、復帰以降1万件に 「断れない」ジレンマも

 沖縄の陸上自衛隊のヘリ部隊による急患輸送数が今月、1972年の配備から累計で1万件を超えた。日本復帰から半世紀にわたり、医療が遅れる離島の人々の命をつなぐ役割を果たしてきた。地元自治体は自衛隊に頼らざるを得ない事情を抱えるが、自衛隊側の負担も大きく、本来任務の重要性が高まる中で現場はジレンマに陥っている。

 那覇市に拠点を置く第15ヘリコプター隊は沖縄を中心に東西約800キロ、南北約500キロに及ぶエリアの急患輸送を担う。

記事の後半では、急患輸送に対する高い期待と負担のはざまで「ジレンマ」に陥る自衛隊の現場に迫ります。沖縄の日本復帰と部隊の歩みの歴史は重なり、自衛隊に対する沖縄の複雑な思いも交錯します。

 今月6日、迷彩色の大型輸送ヘリが那覇基地に降り立った。沖縄本島から東へ約350キロ離れた南大東島から輸送されたのは、大けがをした80代女性。隊員がストレッチャーに横たわった女性を運び出すと、救急車で那覇市内の病院に向かった。これが、第15ヘリ隊による1万件目の急患輸送となった。

 部隊の歩みは、沖縄の日本復…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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