沖縄県本島最北端の景勝地「辺戸(へど)岬」(国頭村)で4日、米軍機の低空飛行訓練を住民が確認した。県内では昨年末以降、慶良間諸島(渡嘉敷村、座間味村)でも同様の訓練が相次ぎ、県が抗議したばかり。県議会は10日、臨時の米軍基地関係特別委員会を開き、低空飛行訓練の即時中止などを求める抗議決議案をまとめた。本会議に提案し、可決される見込み。
辺戸岬周辺は国立公園に指定され、訓練区域にはなっていない。訓練を確認したのは、国頭村に住む嘉陽(かよう)宗幸さん(67)。クジラの観察で訪れていた4日午前11時過ぎと午後1時25分ごろの2回、大型の米軍機が騒音と共に東側から海岸線をなぞるように岬に接近し、南方へ向かったという。
周辺の浜辺で海洋生物の観察を続けて20年ほどになるという嘉陽さんは、以前にも米軍機らしき低空飛行を見たことがあるが、いずれも沖合だった。嘉陽さんは「ここまで接近したのは初めて見た。岩にぶつかるかと思うくらいの低さだった」と話す。
米軍側に問い合わせた県や沖縄防衛局によると、米軍はパイロットの技術維持のために訓練したことを認め、日米両政府の合意に基づいて全ての飛行を行っていると説明。高度や飛行経路などの詳細は、運用の安全に関わるため公開できないと回答したという。
県は1月に慶良間諸島での低空飛行に抗議したばかり。特別委の照屋守之委員長は「抗議したばかりなのに、またかというのが県民の思い。安心安全を守るために強く抗議していく」と述べた。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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