国吉美香
沖縄県うるま市の米軍基地で10日夕、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)などを含む汚水が基地外に流れ出たことが、県などへの取材でわかった。汚水は最大でドラム缶12本分(約2400リットル)という。県や防衛省沖縄防衛局などは12日、日米地位協定の環境補足協定に基づき基地内に立ち入り、米軍から説明を受けた。市は水や土の採取を求めたが、認められなかったという。
県によると、流出があったのは沖縄本島中部に広がる米陸軍貯油施設のうち、うるま市内にある「金武湾第3タンクファーム」。10日午後4時46分、大雨の影響で施設の地下に貯蔵していた汚水があふれ、基地の外とつながる排水路から流出したと米軍は説明しているという。貯蔵していた水はPFOSなどを含む泡消火剤が混ざっていたという。県が沖縄防衛局を通じて米軍から連絡を受けたのは、流出から24時間以上経った11日午後6時半ごろだった。
12日午前に現場を訪れたうるま市の中村正人市長は「市内では2日に米軍ヘリの不時着があり抗議したばかり。施設管理体制についても徹底を申し入れたい」と憤りを示した。
PFOSをめぐっては昨年4月、米軍普天間飛行場(宜野湾市)から14万3千リットルが基地外に流出する事故が起き、県が米軍などに再発防止の徹底を求めていた。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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