国吉美香
沖縄県名護市で31日、自動車専用道路「名護東道路」(全長6・8キロ)が全線開通した。内閣府沖縄総合事務局によると、アクセスの向上が課題になっている沖縄本島北部で、交通混雑の緩和や中南部との移動時間の短縮が期待できるという。
12市町村ある本島北部には沖縄美(ちゅ)ら海水族館(本部町)など多くの観光施設があるが、名護市の沖縄道許田インターチェンジ(IC)以北の交通混雑が地域の課題になっている。総合事務局によると、許田ICから水族館までは1分、世界遺産の今帰仁(なきじん)城跡(今帰仁村)へは11分の移動時間の短縮が期待されるという。
開通の合図をした渡具知武豊(たけとよ)市長は「多くの県民、観光客が北部に訪れることが期待できる」と話した。
道路は2012年に一部4・2キロ間が開通し、今回残り2・6キロの工事が完了した。総合事務局によると事業費は約960億円で、負担率は国が95%、県が5%。菅義偉首相が官房長官時代から力を入れた政策の一つで、建設現場を視察した17年には、全線開通を予定より1年半前倒しして21年夏までに完成させる考えを表明していた。また、今年1月の施政方針演説のほか、6月の沖縄・慰霊の日に寄せたビデオメッセージでも沖縄振興の成果として触れていた。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル