沖縄戦の壕の遺骨、DNAから2体は女性と判明 地元住民の少女らか

吉本美奈子

 沖縄県糸満市の2カ所の壕(ごう)で見つかった9体の遺骨から、4人のDNAが検出された。2体は女性で、うち1体は子どもとみられ、地元住民の可能性が高い。沖縄では今も多くの遺骨が見つかり続けているが、日本軍が戦闘で使っていた壕で、女性の遺骨が確認されるのは珍しい。

 遺骨は、沖縄で20年以上ボランティアで収集活動を続ける浜田哲二さん(60)、律子さん(58)夫妻らが2020~21年に発見したもの。うち8体は、壕の奥で、奥行き2メートル、幅1メートル、深さ1・2メートルほどの範囲に埋もれていた。

 厚生労働省が今年3月、DNAを調べた結果、2体は男性、2体は女性とわかった。女性の1体は骨の成熟度などから幼い少女とみられる。女性2人の遺骨の脇では、赤い花柄が描かれたアルミ製の弁当箱も見つかった。女性らの持ち物とみられる。

 女性の兵士は当時考えられず、少女を含む女性2体は「戦闘に巻き込まれて亡くなった地元住民ではないか」と浜田さんは推測する。

 浜田さんは「日本軍の部隊は行動記録が残っているが、沖縄の民間人は、どこでどのように亡くなったかわからない人が多い」と語る。本島南部で家族が戦死した遺族や、那覇市や本島中部などから南部へ逃げて行方不明になっている家族がいる人など、「少しでも心当たりがある方は相談してほしい」と話す。

 今回の9体の遺骨についての問い合わせは厚労省戦没者遺骨鑑定推進室(03・3595・2219)。または「みらいを紡ぐボランティア」の浜田さん(090・1080・0758)。(吉本美奈子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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