沖縄県議選の投開票は7日で残り3カ月となる。県議選の結果は玉城デニー知事の「中間評価」と位置付けられるだけではなく、結果次第では米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設への対抗手段を奪われることにもなりかねない。「野党」の自民党は公明党などとともに過半数を押さえ、令和4年の次期知事選での県政奪還に弾みをつけたい考えだ。(杉本康士)
2月13日に開会した県議会は、いつもに増してヒートアップしている。自民党が玉城氏の支援者に発注された県事業をめぐる疑惑を追及する一方、玉城県政に「中立」の公明党も批判を強めている。同党の金城勉県議は2月25日の代表質問で、県北部の基幹病院設立が遅れていることを追及し、こう声を荒らげた。
「ふざけるんじゃないですよ。知事、あなたは北部地域の住民の命と健康をないがしろにするんですか」
県議会は玉城氏を支援する共産党や社民党などでつくる「オール沖縄」が多数を握るが、これが県議選で崩れれば玉城氏は苦境に立たされる。県は辺野古移設をめぐり国を相手取って訴えを相次ぎ起こしているが、提訴に必要な県議会の議決が得られなくなる恐れがあるからだ。
県政野党の自民党は、県議選で公明党や旧日本維新の会(現無所属の会)と合わせて過半数を取る戦略を描く。昨年末には仲井真弘多元知事を県連最高顧問に迎えた。沖縄電力会長時代の人脈を生かして経済界の動員を図るのが目的で、自民党県議は「国政選や知事選でもないのに経済界がこんなに動くのは初めてだ」と手応えを語る。
迎え撃つオール沖縄は平成30年9月の知事選以降、国政選や県内の主要首長選で連勝を重ねている。この勢いで県議選でも過半数を維持したいところだが、懸念もある。その一つが県議会に議席を持たない立憲民主党の「乱入」だ。立民はすでに公認候補1人を擁立し、他の選挙区でも候補者探しを進める。あるオール沖縄の県議は「立民の参入で共倒れしかねない」と危機感を強める。
オール沖縄で中心的存在だった安慶田光男元副知事や財界人が2月に政策集団を設立したことも波紋を呼ぶ。オール沖縄の県議を「反玉城」に引き込む意図も見え隠れするが、オール沖縄の県議が玉城氏に弓を引けば「反基地」票を失いかねない。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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