沖縄県の県立高校2年で、運動部主将の男子生徒(当時17)が1月末に自ら命を絶った問題で、県教育委員会は19日、要因は「部活顧問との関係を中心としたストレスにあった」とする第三者チームによる調査報告書を発表した。会見した金城弘昌教育長は「生徒の悩みや苦しみに気づけず、相談体制づくりもできていなかった」として謝罪した。
県教委は改めて40代の男性顧問から聞き取りを実施するなどし、処分を決める。顧問は病気休暇中という。
弁護士らによるチームは2月16日~3月5日、遺族や職員、同級生ら約20人に対面での聞き取りを実施。生徒は日常的に顧問から大会での成績を上げるようプレッシャーを与えられたり、「主将をやめろ」といった言葉をあびせられたりしていたという。また、事務連絡について、「LINE」アプリを通じて夜中まで連絡を受けることもあり、「常に緊張状態に置かれ、多大な精神的疲労を抱えていた」とした。
会見した金城教育長は「勝利至上主義に基づく過度のプレッシャーを与えられ、精神的に追い込まれていた様子がうかがわれる。学校教育全体の中で仕組み作りをしていきたい」と述べた。
また、県教委は19日、遺族の意向があったとして学校名について県立コザ高校(沖縄市)と公表した。報告書によると、顧問は2017~18年ごろ、別の生徒に対しても、強い口調で接したり、女子部員の鼻に指を入れたりするなど過去にも問題事例があった。高校はこの2例について県教委に報告はしていなかったという。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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