昨年7月の参院選広島選挙区をめぐり、地元議員らに多額の現金を配ったとして前法相で衆院議員、河井克行容疑者(57)=広島3区=と妻で参院議員、案里容疑者(46)=広島選挙区=が東京地検特捜部に逮捕された公選法違反事件で、克行容疑者らが昨年12月ごろ、事務所内のパソコンデータを専門業者に依頼して削除していた疑いがあることが20日、関係者への取材で分かった。データの中には「現金配布リスト」も含まれており、特捜部は克行容疑者らが証拠隠滅を図ったとみて、捜査を進めているもようだ。 関係者によると、昨年10月末に案里容疑者の陣営が車上運動員に法定上限を超える違法報酬を支払っていた疑惑が報じられて以降、12月末までの間に、広島市内の克行容疑者の事務所が、同市の電子機器を扱う専門業者にパソコンのデータを削除させた。選挙関連の書類についても、克行容疑者の意向に従い、元秘書らがシュレッダーにかけるなどして廃棄したという。 消去されたデータは、検察当局がデジタルフォレンジック(電子鑑識)の技術で復元したことも判明。合わせて100人規模に2500万円以上を配布したことを示す複数の現金配布リストも復元されたとみられる。 検察当局は今年1月15日、現金買収事件発覚の端緒となった車上運動員の違法報酬事件をめぐり、広島市の事務所などを家宅捜索した。強制捜査が間近に迫ったことを察した克行容疑者らが急遽(きゅうきょ)、データ削除などをした可能性がある。 また克行容疑者は陣営内で使用されていた無料通話アプリ「LINE(ライン)」のグループ内での発言の多くも削除している。陣営関係者によると、昨年10月末に違法報酬疑惑が報じられて以降、陣営内ではラインを通じてやりとりをすることがなくなったという。 特捜部など検察当局はこういった克行容疑者らの行為を把握したことから、証拠隠滅の恐れがあると判断し、身柄拘束という強制捜査に踏み切ったもようだ。 克行容疑者の逮捕容疑は昨年3~8月、参院選で案里容疑者の票の取りまとめを依頼するなどし、報酬として計約2400万円を地元議員や後援会関係者ら91人に供与。案里容疑者は克行容疑者と共謀し、5人に170万円を渡したとしている。5人のうち2人は克行容疑者から報酬を受けた91人に含まれるという。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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