昨年7月の参院選をめぐり、前法相で衆院議員の河井克行容疑者(57)=自民党を離党=と妻で参院議員の案里容疑者(46)=同=が公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された事件。計約2570万円を受領したとされる94人は、半数以上が元職を含めた地元政治家だ。朝日新聞は取材で得た証言も加味し、配布状況について検証した。東京地検特捜部は買収行為が有権者の投票行動に影響した疑いがあるとみているが、夫妻は何をねらって現金を渡したのか――。
49人を独自分析
事件の舞台となった参院選広島選挙区(改選数2)。2013年は自民党のベテラン、溝手顕正氏が52万票余りを集めてトップ当選。2番手の森本真治議員=現在は国民民主党=の19万票に大差をつけた。昨年3月、2議席独占を目指し、追加公認されたのが案里議員だった。特捜部はこのころから買収が始まったとみている。
特捜部は配布先とした94人のうち42人を自民党系の地元政治家と分類。朝日新聞はこれとは別に、元職を含めた議員や首長ら計49人を分析した。
地盤の衆院広島3区、配布人数の4割
広島県の23市町のうち、有権者数が5万人を超える7市すべてで、克行議員が2人以上の政治家に現金を持参。最も多かったのは全有権者のうち4割超を抱える広島市で、18人だった。有権者数第2位の福山市では元議員2人。同3位の呉市は2人で、うち1人は広島県議会議長を務めた奥原信也県議だ。奥原県議は夫妻から計200万円を受領したと認めている。配布先の中で最高額だった。
配布先が多かったのは安芸高田…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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