「霞が関が危機的な状況にあると思っている。優秀な官庁が長時間労働で霞が関を去るというのは、非常に、国民にとっても問題だ」 【全画像をみる】河野大臣「優秀な官僚が霞が関を去るのは問題」。働き方改革で夜10時以降“閉庁”求めた署名受け取る 2020年12月2日、官僚の働き方改革を求める2万6953筆(12月1日現在)の署名を受け取った河野太郎国家公務員制度担当相 は、霞が関の働き方改革の必要性についてそう語った。 霞が関では、3月~5月の「最も忙しかった月の実際の残業時間」が、「過労死レベル」とされる100時間を超えていた官僚が全体の約4割にも上ったとしたアンケート調査もあり、長時間の残業が問題視されている。
「国会期間の残業代102億円」
「各省庁を22時~翌朝5時は完全閉庁し、緊急の業務や必要最低限の議員の質問対応等はテレワークで行う体制を作ってください。浮いたコストは、コロナ対策等の国民生活の改善に使ってください」 河野氏ら各省庁の大臣に対して、官僚の働き方改革を求めた署名活動は、オンライン署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」を通じ10月から実施された。 署名活動の発起人は、働き方改革のコンサル事業を手掛けるワーク・ライフバランス社長の小室淑恵氏や、サイボウズ社長の青野慶久氏、 青山社中社長の朝比奈一郎氏、産業医の大室正志氏ら計17人。 署名活動では、官僚の残業により税金が無駄にされていると主張。 「国会期間のための官僚の残業代だけで102億円。深夜にタクシーで帰宅する費用がさらに22億円かかっている」とし、終電に間に合えば浮くはずの費用をコロナ対策などに充てるべきだとしている。 また、官僚の働き方が「国全体のデジタル政策の遅れの原因」となっているとも指摘。 「対面での会議、紙資料・FAX・印鑑をベースにした作業、脆弱なネットワーク環境・ハード環境の整備の遅れが放置され、効率を無視した長時間労働が行われている」とした。
30歳未満の1割以上、早期離職を検討
霞が関では、若手職員の離職が問題視されている。 河野氏は11月18日、自身のブログで「危機に直面する霞ヶ関」という文章を掲載。 ブログによると、2013年に21人だった自己都合退職者が2019年は87人と4倍以上に増えている。 また河野氏は、「すでに辞める準備中」や「三年程度のうちに辞めたい」と考えている30歳未満の国家公務員が、「男性で15%、女性で10%に達している」というデータを紹介。「霞ヶ関をホワイト化して、優秀な人材が今後とも霞ヶ関に来てくれるような努力をしっかりと続けていきます」としていた。 この日、署名を受け取った河野大臣は若手官僚の離職について、「超時間労働を改善し、若者が思いを実現できるようにしたい」と強調した。 「国のため、国民のために意義のある仕事をしたいと思い、霞が関に来てくれているが、現状では政策をやろうにも、現場の状況を知り、分析しながらというプロセスができない。その中で気持ちが折れてしまう。この悪循環をなんとかしないといけない」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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