河野太郎氏の分身「思ったよりリアル」 かすむアンドロイドとの境界

 自分そっくりのアンドロイド(人型ロボット)を代理で会議に出席させたり、人のように話すロボットを使って自宅から職場への来客に対応したり――。そんな未来を可能にする自分の分身「アバター」となるロボットの開発が進んでいる。私たちの「身代わり」が活躍できる場面は様々だ。

 「みなさん、こんにちは。河野太郎です」。10月下旬、朗々と自己紹介をしたのは、河野太郎デジタル相のアンドロイド(人型ロボット)だった。シリコーン製の肌でしわや浮き出た血管も再現されており、スピーカーを通して響く声に合わせて腕や上半身が動く。

 手がけたのは、アンドロイド研究の第一人者として知られる大阪大の石黒浩教授。「アンドロイドは究極のDX(デジタルトランスフォーメーション)です」と話す。これまでにも、自分そっくりのものも含めて、何体かアンドロイドを作ってきたが、研究や実験にとどまり、社会での実働には至っていない。

 「アバターが話す言葉を、人々はその人自身の言葉として受け取るのか。社会の中で人にどのように受容されるのかは、まだ分かりません」

 今回の河野氏のアンドロイドは、それを確かめる足がかりとなるという。12月初旬、誰もが顔を知る河野氏のアンドロイドに、商業施設で演説させた。今後聴衆の反応を分析する予定だ。

 石黒教授がアンドロイドの開発を始めた2000年代初頭より進化が著しいのはその動きだ。

 ハード面でも、動かせる関節の数が増えたり、シリコーンの耐久性があがって作り出せる表情が増えたりしたが、動きを制御するソフト面の発展はより速い。今では発した声に応じて自動的に身ぶりを加えられるようになっている。

 「人間が自分の体でプレゼンをする時よりも、きれいな所作を勝手にしてくれる。AI(人工知能)のサポートを受けながら、自分の表現能力を超えられます」

あいまいになる本人とアンドロイドとの境界。記事の後半では、アンドロイドを操作する女性に芽生えた不思議な感覚なども紹介します。

 インターネット空間では、ア…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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