今月22日、東京・浅草の路上で、離婚をきっかけに子どもに会えなくなった親たちのデモ活動が行われていた。参加者が訴えているのは、単独親権制度を見直し、共同親権を持てる制度への変更だ。
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民法が定める親権は「身上監護権(監督保護・養育を行う権利)」と「財産管理権」の二つに分けられ、婚姻中は父親と母親の両方に与えられる(=共同親権)が、離婚する場合は「父母が協議上の離婚をするときは、その協議でその一方を親権者と定めなければならない」(819条)とされており、どちらかの一方だけが権利を持つ(単独親権)こととなっている。しかし、G20の中で単独親権の国は日本、インド、サウジアラビア、トルコなど非常にわずかだというのが実情だ。
また、この親権をどちらが持つのかを争う際、家庭裁判所は、子どもの生育環境が変わるのは良くないとの理由から、余程のことがない限り同居の実態のある親に優先的に親権を与える傾向があるという。デモの参加者たちが主張するのは、こうした背景を理由に、離婚を考えた片方の親が親権獲得を有利にするための子どもを“連れ去り“と、それによって子どもに会えない状況が生まれていることへの苦悩だ。
一方、この“連れ去り“が起きる背景には、夫婦間のDVの問題も横たわっていることなどを理由に、共同親権の導入に異議を唱える人たちも多い。武蔵大学の千田有紀教授は「子を連れての転勤や海外移住には相手の同意が必要になり、離婚したのに相手に大きな束縛を強いられる」と話す。また、NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表は「親権は主に監護権と重要事項決定権。よって、離婚後共同親権では、離婚して別れて離れて暮らしている夫(妻)が、子どもの大学進学や定期預金の解約等に、いちいち拒否権を発動できてしまう」とTweetするなど、反対の意向を示してきた。
毎日約550組が離婚する日本。25日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、共同親権推進派と単独親権維持派を交え、親権の現状について話を聞いた。
■発言者(敬称略)
赤石千衣子(NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長)
古賀礼子(弁護士)
川井ヒロチタ(「結の会」副代表)
柴山昌彦(自民党衆議院議員・共同養育支援法全国連絡会幹事長)
千田有紀(武蔵大学社会学部教授)
堀潤(ジャーナリスト)
パックン(お笑い芸人)
平石直之(テレビ朝日アナウンサー)
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