法隆寺金堂の天蓋、国宝指定へ 太陽の塔は登録文化財に

 文化審議会は19日、世界最古の木造建築とされる法隆寺(奈良県斑鳩〈いかるが〉町)の金堂天井につるされた「木造天蓋(てんがい)」(飛鳥時代・鎌倉時代)を国宝に指定するよう文部科学相に答申した。

 木造天蓋は箱形で三つあり、二つは金堂が再建された7世紀後半に、もう一つは鎌倉時代につくられた。高貴な人の屋根付き寝台を仏像に応用した中国の様式が伝わったとみられ、飛鳥時代の美術を代表するだけでなく、アジアの仏像荘厳(しょうごん、厳かに飾ること)を考える上で極めて重要と判断された。

 法隆寺は日本で最初にユネスコの世界文化遺産に登録され、金堂や釈迦三尊像など多数が国宝指定されている。天蓋はつられていたため詳しい調査がされておらず、2005~08年度に修理した際に年代や材質などの科学調査ができ、その価値が明らかになった。

 このほか、鎌倉幕府を開いた源頼朝が春日大社(奈良市)に寄進したと伝えられる鼉太鼓(だだいこ)を国宝に、1970年の大阪万博のシンボルとして知られる「太陽の塔」(大阪府吹田市)を登録有形文化財(建造物)に登録するよう求めた。(上田真由美)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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