晩秋にかけて乾燥が進み、空気が冷えてくると、肌の状態が気になってきます。肌の潤いを保ち、健康を守る正しい洗顔法を皮膚科専門医に教えていただきました。
“きちんと洗う”の勘違い
洗顔する際に、次のようなことをやっていないでしょうか? (1)洗顔料でしっかりと汚れを落とす
(2)洗顔料をよく泡立てた泡で洗う
(3)洗った後にすすぎを何回も行って、洗顔料が残らないようにする 「汚れを落とすのが大切なのは確かです。特に、今は新型コロナ感染症への対策のためにも、外から帰宅したらすみやかに汚れは落とさなければなりません。ただ、『きちんと』のつもりが『やり過ぎ』になり、肌の乾燥や肌荒れを招くことがあるのです。 当院で行っているスキンケア教室でも、ニキビやかゆみ、赤みなどの肌トラブルのある人の多くが、洗顔で『やり過ぎ』てしまっていました」と、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生は言います。
肌の負担をなるべく減らす
紹介した3つの洗顔法は何が肌によくないのでしょうか? 自分の方法に「やりすぎ」がないか確認してみましょう。 (1)洗顔料でしっかりと汚れを落とす
「『きちんと落とさなければ』と思うあまり、ゴシゴシこすったり、圧が強くなり過ぎていることが多いです。肌はとてもデリケートなので、優しくなでるように洗います」(野村先生) (2)洗顔料をよく泡立てた泡で洗う
「泡は量よりも質が大切です。大量の泡で洗うと、空気を含みすぎることで一つ一つの泡が大きくなって肌に接触する面積が減り、肌表面の角質や汚れが落ちにくくなります。実際にもこもこした大量の泡で洗う人の洗顔後の肌を調べてみると、きちんと汚れが落ちていないことがありました。 また、大量の泡を作るためには洗浄成分を多く使うので、顔に残りやすくなり、すすぎの回数も増えます。そのため肌負担が大きくなる人もいます。 しかし、泡立てずに洗顔するのは肌をこすってしまう原因になるので、良くありません。後述する柔らかでキメ細かな泡を使って洗顔すると良いでしょう」(野村先生) (3)洗った後にすすぎを何回も行って、洗顔料が残らないようにする
「きちんと洗い流すことは必要ですが、すすぎの回数が多いと肌に負担となります。特に、顔の中央にパシャパシャと何十回もかけたり、シャワーを長く当てたりしないように注意してください」(野村先生) 身に覚えのある方は、知らず知らずのうちに肌への負担となるクセがついてしまっていたかもしれません。 「肌は、菌やウイルスなどの異物や紫外線などの刺激から身体を守ったり、水分の蒸散を防ぐものです。きれいな肌とは、きめ細かく、もっちりしっとり潤っている状態で、バリア機能がしっかり働きます。洗顔は毎日行うことなので、肌の負担をなるべく減らしましょう」(野村先生)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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