泥で埋まったグラウンド…広がる球児への支援、苦境で強まった団結力

 3年生の先輩が引退し、新チームが発足したばかりのころだった。

 毎日のように白球を追い続けていたグラウンドは、流れ込んできた泥で埋め尽くされ、白っぽくなっていた。

 部室にも泥がたまり、練習で使うボールは水を含んで重くなっている。

 これでは、練習どころではない――。

 福岡県久留米市の浮羽工業高校で、野球部の主将、古賀遼都さん(16)は「使ってきた道具が、急に使えなくなってしまった」と心が沈んだ。

 野球部の環境を一変させたのが、7月10日に降った大雨だった。

 浮羽工は田主丸地区にあり、激しい雨によって校舎とグラウンドの間を流れる巨瀬(こせ)川から水があふれ、一帯をのみこんだ。

 筑後地区新人大会の予選まで、あと1カ月。新チームにとって大事な大会で、ほとんど練習できないまま試合に臨むことになりかねない。

 焦りがつのるなか、名嶋正信監督(60)が近くの学校に声をかけると、久留米学園と久留米、久留米筑水の3校が合同練習に応じてくれることになった。

 支援の輪は、さらに広がった。

全国の野球関係者が支援、ボールやバットを学校へ

 道具類も大きな被害を受けた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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