名鉄東岡崎駅(愛知県岡崎市)から徒歩10分。住宅街の一角に、沖縄料理の店「ちばる食堂」はある。看板メニューは、とろとろに煮込んだ豚軟骨が乗った「ちばるそば」。「ちばる」は沖縄の方言で「がんばる」という意味だ。
午前11時の開店前、ホール担当の池田ノリ子さん(76)は箸袋に「ちばる食堂」とスタンプを押す作業を黙々と続けていた。
開店から約10分後、最初のお客さんがやってきた。池田さんが「いらっしゃいませ」と声をかけ、水とおしぼりを置く。配膳から片付けまでホールの仕事を1人で担当する。
オーダーは紙に書き、厨房(ちゅうぼう)にいる店長の市川貴章さん(41)に渡す。
「じゅーしーって何ですか」。お客さんがメニューについて池田さんに尋ねる。池田さんが返答に困ると、市川さんがすかさず「混ぜごはんです」とアシストした。
正午近くになると、常連客が次々と訪れた。弟と2人で来店した岡崎市の三又祐子さん(49)のもとには、3人分の箸とれんげが置かれた。「こういうところがほんわかするんです。空いている席に座ってあめ玉をなめていたり、箸袋に3本の箸が入っていたりすることもありました」と笑顔。おいっ子(6)と訪れた女性も「注文が間違ってても、『ちゃうちゃう』って言うだけ。それも含めて楽しい場所です」。
給料は忘れないように手渡しで
「のりこさん」と呼ばれ、常…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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