TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。5月4日(月・祝)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、京都大学大学院教授の藤井聡さんが“新型コロナの出口戦略”について言及しました。
◆このままだと最悪27万人の自殺者が……
緊急事態宣言について、政府は5月31日までの延長にあわせ、基本的対処方針を変更する方向で調整。その原案では、13ある特定警戒都道府県にはこれまでと同様の行動制限を求めていますが、それ以外の県では制限の一部を緩和する方針を打ち出しています。
まず藤井さんは、「このままの状況が続けば確実に倒産、失業が増える。そうなると増えるのは自殺」と指摘。現状では最低でも14万人、最悪27万人が自殺に追い込まれるという分析結果が出ているそう。それだけに、「感染死を防ぐことも大事だけど、自殺者などを防ぐことも政府は考えなくてはならない」と主張します。
その際、藤井さんは年代別の新型コロナウイルス致死率を重要視。4月時点では年齢を重ねるごとに致死率が上昇し、その倍率を30~40代を基準にして見てみると、60代が17倍で70代は52倍。80歳以上に至っては100倍以上と「若い方も完全に安全ではないが格差は歴然。この特徴を踏まえながら都市を少しずつ開いて行く方向を戦略的に考える必要がある」と言います。
◆都市を再開する上で大事なことは?
次に、「都市を開くのであれば、感染拡大を抑える必要がある」と藤井さん。その基本方針としては「高齢者・基礎疾患がある人・妊婦はリスクがあるため、これまで通り自粛」。また、注意すべきは上記の方々と同居されている方も自粛の対象に入ってくるということ。
一方、活動を再開した人に対しては「守ってもらいたいこと」が3点あり、1つはクラスターの可能性があるだけに「飲み会やカラオケなどは控えること」。ただ、それを効果的に行うためには「政府が給付金を継続して払う必要がある」と藤井さん。2つ目は、接触感染を防ぐために「鼻の穴や口などを触らない」。最後は「換気の徹底」。これさえしていれば、「エアロゾル感染を含め、広義の空気感染がなくなる」と言い、これらができない人はステイホームが必要と訴えます。
また、「特別警戒の13都道府県と、再開される都道府県をまたいでの移動だけは厳に慎んでいただきたい」と強く要望。この移動さえ止めておけば感染も広がらないため、藤井さんは「禁止が一番良い」とまで言います。
ここでMCの堀潤が「コロナ後の経済システムについて準備しておくべき」と提言すると、藤井さんは「平常時の問題が今、露見している。それは東京一極集中」と指摘し、「今は都市自体が3密のようなもの。分散化しておけば感染リスクも低くなっただろうし、一極集中をできるだけ緩和しておくことがパンデミックに対しても必要だった」と言明。
海外の情勢にも詳しい弁護士の金塚彩乃さんは日本の対応、今後の改善点の1つに「雇用調整助成金」を挙げます。日本では1日あたりの上限が8,330円ですが、フランスは一般最低賃金20万円弱の4.5倍まで国で補償してくれるそう。さらには、「政策と情報公開と説明が何より必要、残念ながら日本は遅れている」と指摘。
それに続き藤井さんも、「イギリスでは潰れかけたお店に300万配ったり、従業員が80%の給料を政府からもらったりしている。日本は10万円配るだけですったもんだ」とあきれ顔。さらに雇用調整助成金についても「財務省が意図的に絞っているんじゃないかと見ている。わざと難しくしてお金が出ないようにする、そういうケチな政府になっている」と嘆いていました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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