笠原雅俊
白と黒のまだら模様の珍しいニホンウナギ3匹が、高知県・四万十川沿いにある食堂の大きな水槽で元気に泳ぎ始めた。突然変異で体の色が白黒になった「パンダウナギ」だ。
パンダウナギが泳ぐのは四万十市の佐田沈下橋近くにある食堂「さこや」。店を切り盛りする田辺精美さん(73)と大家一二三さん(70)姉妹が「店に来ていただくお客さんに少しでも明るい気持ちになってもらおう」と、1日から店の大型水槽で飼育し始めた。
パンダウナギは知り合いの業者の養殖場で見つかった。普通のウナギは黒っぽい体だが、3匹は黒と白のまだら模様。全長50~70センチほどで、水槽の中を並んで動いたり、筒の中から顔を出したり。
四万十川の川魚などを飼育している「四万十川学遊館さかな館」(同市)の野村彩恵さんによると、パンダウナギは10万匹に1匹の割合で出現する突然変異種で、自然界でもたまに見つかるが、目立つため外敵に襲われ生き残る確率は低いという。野村さんは「それにしても一度に3匹が泳ぐのは聞いたことがない」と驚く。
水槽では、川漁師の田辺さんの夫の輝明さん(73)が四万十川で取った天然ウナギの稚魚も泳ぐ。店は天然ウナギの料理が人気メニュー。だが、姉妹は「パンダウナギは業者の人から借りているので、調理はしません。多くのお客さんに見て楽しんでもらえればうれしい」と話している。(笠原雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル