平山郁夫など日本画家3人の作品を元に作った偽物の版画が流通していた問題で、別の画家の作品の偽物もあることが、関係者への取材でわかった。販売元は不明だという。画家の遺族らが経緯を調べている。
偽物が見つかったのは、1985年に38歳で早世した洋画家の有元利夫(1946~1985)の作品の版画。遺族や美術商などの専門家でつくる鑑定委員会によると、昨年12月、外部から「MAGIC 占いの部屋」や「遊戯」などの6作品の版画について真贋(しんがん)鑑定を依頼された。調べたところ、いずれも色合いやサインなどに真作と異なる点があった。複数枚の偽物が確認された作品もあったという。
鑑定委員会は今年1月末、6作品の版画の真贋鑑定をする「登録委員会」を設立。今後購入者から相談を受け付けるという。委員の一人は「誤って偽物を買ってしまう人を一刻も早く守りたい」と話している。
この問題では、日本画家の平山郁夫、東山魁夷、片岡球子の計10作品の偽物の版画の流通が発覚。全国約40の画商でつくる「日本現代版画商協同組合」(東京都)の調査に、大阪府の画商の男性が販売していたことを認めており、昨年末に除名された。関係者から相談を受けた警視庁も著作権法違反容疑で捜査している。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル