起業を志す人や商店街の店主のための講座「商店街カフェ01」が16日、津市中心部の空き店舗で開かれる。市内の商店街は衰退が著しく、主催する津市NPOサポートセンターはまちの魅力を高める新規事業の育成を狙う。ただ、空き店舗の所有者は高齢化し、人によっては店舗を貸すことにさえ消極的という。店舗再活用に何が必要か、市などは空き店舗の実態調査に乗り出した。(粂博之)
■起業をイメージ
商店街カフェは16日が初回で、年度内にあと6回開く予定。20~30代で起業を考えている人や、商店街店主で新たな取り組みを始めたいという人が対象だ。
講師には、三重県紀北町の企画デザイン会社「ディーグリーン」で、三重の魚を使った離乳食の通信販売事業を立ち上げた立花圭さんを迎える。気軽に意見交換できるようにと定員は15人程度を想定している。
空き店舗を使うのは「商店街を起業の場として考えてもらうため」。同センターは市の委託を受けて、市内の商店街の状況調査をしており、空き店舗の活用も視野に入れている。
■店舗調査は難航
空き店舗の調査は昨年度から地区ごとに順次行っているが、予想以上に難航しているという。所有者の多くは高齢で、所在が分からなかったり相続した人が遠方に住んでいたりするためだ。また空き店舗の再活用を提案すると「修繕にお金がかかるし、手続きが面倒。このままでいい」と消極的な人も少なくない。
市は、空き店舗を使った創業を支援するため改装費で最大150万円、賃借料月6万円まで(2年目から段階的に削減)を補助する事業を展開。年3~5件の利用があるという。
ただ、この制度では新規事業に必要な改装費の一部はカバーできるが、老朽化した部分の修繕などは対象外。起業する人は雨漏りなど修繕済みの物件を求め、費用は所有者負担となりがち。このため市の担当者は、同制度では「店舗所有者の背中を押すことは難しい」と認める。
■マッチングも推進
空き店舗をどのように活用するかは、所有者の意向抜きには考えられない。店舗を使いたい人との交渉となるが、所有者によっては「飲食業以外」などの条件を出すこともあるという。商店街活性化という“大義”があったとしても、NPOや行政が交渉に介入することは難しいのが現実だ。
市や同センターとしては今後、空き店舗の場所や所有者の把握だけでなく、可能な限り「店舗所有者がどのような課題を抱え、意向を持っているか」といったことにも調査範囲を広げたい考えだ。一方で講座などで起業熱を高め、店舗所有者とのマッチングを進めたいという。
16日の講座は午後7時から、津市丸之内の旧「メガネの別所」で。参加費は千円。問い合わせは同センター(059・213・7200)。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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