津波が来ない安全な避難先の目印として、東北以外でも桜の木を植えよう――。和光大学(東京都町田市)の現代人間学部4年生、柏木美紗樹さん(22)は、ゼミで「いのちの桜前線プロジェクト」に取り組む。津波浸水想定域の内陸側で植樹できる場所と、協力してくれる人を探している。
プロジェクトのモデルは、岩手県陸前高田市の認定NPO法人「桜ライン311」の活動。津波が到達した地点に10メートルごとに桜を植え、最終的には1万7千本、総延長約170キロの「並木」を市内沿岸部に作ろうという壮大な計画だ。同市では、東日本大震災で1761人以上が死亡・行方不明になった。
ゼミの指導教員の制野(せいの)俊弘教授は東日本大震災の時、津波の被害が大きかった宮城県東松島市の中学校教員だった。ある教え子は、地域の人がなんとなく「ここなら大丈夫」と考えていた場所に自分も避難し、津波に襲われて命を失いかけた。「東松島もそうだが、山が近くにない地域はどこまで逃げればよいか分かりにくく、根拠がない場所を安全だと思ってしまうこともある。桜のように、1本でも年1回は注目され、子どもにも分かりやすい目印は良いと思う」と話す。
柏木さんは今年、ゼミ生5人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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