石川県能登半島地震で新潟県は5日、上越市の住宅127棟で新たに被害を確認したと発表した。ほかの自治体も含め県内の住宅被害は前日より172棟増え、696棟に拡大した。各自治体は罹災(りさい)証明書の発行手続きを本格化させ、住民の生活再建に向けて動き出した。
県災害対策本部の5日午後3時時点のまとめによると、この日判明した住宅被害はいずれも一部損壊で、計685棟となった。全壊は1棟、半壊は10棟のまま前日から変わらなかった。
市町村別では、上越市が230棟と県内で最も多くなった。うち1棟は関川の右岸にあり、津波で浸水したといい、被害計上の項目が「一部損壊」から「床上浸水」に変更される見込み。西区で液状化現象が広がった新潟市も150棟と前日から4棟増えた。
各自治体では、住民が公的な支援金などを受け取るために必要な罹災証明書の申請受け付けが始まっている。三条、柏崎、加茂、糸魚川、妙高、五泉、上越各市と刈羽村は、申請を受けて被害状況の調査を進めている。新潟市は6日から、燕、佐渡、見附各市と出雲崎町も近く調査を開始する。
負傷者は42人で、前日から8人増えた。うち2人が重傷で、新潟市の60代女性は自宅で落下物が当たり足の指を骨折。長岡市の80代男性は自宅で転倒し、足と肩に痛みを訴えているという。(井上充昌)
地震の影響は、連休明けの9日に授業再開を予定する多くの学校にも広がっている。中でも、液状化現象が多発した新潟市西区では、敷地が陥没したりトイレが使えなくなったりする被害が確認され、市立坂井輪中学校と県立新潟工業高校は同日の臨時休校を決めた。
新潟市教育委員会によると、坂井輪中では校舎の廊下に段差ができ、壁がひび割れたりずれたりしたほか、屋外で陥没も起きた。学校側は危険性が高いと判断し、9、10日の休校を決定。11日から1、2年生はオンラインで、3年生と特別支援学級は近くの市立新通小学校の空き教室で、それぞれ授業を始める予定という。
県教委によると、新潟工業高は液状化により水道やトイレが使えなくなり、休校を決めた。10日からの授業再開に向けて復旧工事を進めているという。
県の5日午後1時時点のまとめによると、県立学校は117校のうち44校(38%)で、市町村立学校は668校のうち170校(25%)で、校舎の破損や断水などが確認された。市町村別では、新潟市(96校)や上越市(41校)、佐渡市(14校)が多かった。
新潟市西区 入浴施設を無料開放
新潟市西区は6日から当面の間、自宅の風呂が使えなくなった人のため、区が運営する「老人憩(いこい)の家」のうち6施設の風呂と、西総合スポーツセンターのシャワーを無料で開放する。
風呂が利用できるのは、小針荘、明和荘、神明荘、五十嵐中島荘、寺尾荘、成巻荘の各施設で、休館日(8、9、15、22、29日)を除く午前11時~午後3時。シャワーを使えるのは、月~土曜は午前9時~午後9時、日曜・祝日は午前9時~午後5時。区は、利用時には受付で罹災(りさい)証明書を提示するか、地震で自宅の風呂が使えなくなったと伝えてほしい、としている。
区はまた、6~8日に区役所や出張所を臨時に開けて災害対応にあたる。罹災(りさい)証明書の申請書の配布・受け付け、土囊(どのう)袋の配布、住宅の応急修理の申し込みなどに応じる。(茂木克信)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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