内閣府の有識者検討会が21日、北海道から東北北部の太平洋沖で過去最大級の地震が発生すれば、最大30メートル近くの津波高になるとの推計結果を公表した。推計の根拠はどんなものだったのだろうか。
日本列島の下に太平洋プレートが沈み込む東北沖の日本海溝や北海道沖の千島海溝には、ひずみがたまり続けている。政府の地震調査委員会は2017年、千島海溝でM8・8以上の巨大地震が30年以内に起こる確率は最大40%とし、「切迫している可能性が高い」と注意を呼びかけてきた。
今回の想定では、東日本大震災の震源域から北側の日本海溝と、その北に連なる千島海溝を震源に設定。日本海溝でマグニチュード(M)9・1、千島海溝でM9・3の地震をそれぞれ想定し、各地の津波の高さと浸水域を計算した。
最悪を想定するため、津波が襲来するのは満潮のタイミングとし、津波が堤防を越えたらその堤防はすべて破壊されるとした。その結果、岩手県の宮古市より北の一部と、青森県以北で東日本大震災より高い津波が襲う結果になった。
青森県八戸市で最大26・1メートル、北海道えりも町から東で20メートル超など、震源によっては東日本大震災の倍の高さになる場所もあった。
推定の根拠になったのは、各地…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル