派手な色や発光を伴った大型広告を車体につけて走る宣伝車(アドトラック)について、東京都が規制の強化を検討している。現在は都内ナンバーの車に審査基準を設けるなどしているが、来年5月に都屋外広告物条例の施行規則を改正し、規制の対象を都外ナンバーにも広げる方針だ。
都は有識者でつくる都広告物審議会がまとめた規制強化の方針を公表し、6日からパブリックコメントを募集している。今後、審議会の答申を経て条例の施行規則を改正する。
アドトラックは、低速で周回することから景観や交通環境の悪化になるとして問題視されている。都内では派手な電飾をつけ、大音量を流す行為が日常的に横行しており、多くが過度なデザインを規制する都条例の及ばない都外ナンバーだ。
7日は新宿区の歌舞伎町周辺で都、同区、警視庁が合同で実態調査をした。
野田、横浜、野田、横浜……。同日午後7時過ぎ、西武新宿駅近くの道路では、ホストクラブのデジタルサイネージや女性向け求人広告をつけたアドトラックを警視庁や都職員らが次々と止めた。運転手に屋外広告の規定に関するチラシを配った。
この日は1時間に8台を確認し、いずれも都外ナンバー。今年2月の調査でも74台全てが都外だった。
現在の条例の施行規則(2011年改正)では、都内を走るには公益社団法人「東京屋外広告協会」のデザイン審査を受けた上で、都の許可が必要とされている。
審査基準は、公衆に不安・不快の念を与えない▽他の運転手の注意力を散漫にさせない▽彩度の高い色、原色、金銀色を広範囲に使用しない――など。無許可での走行には30万円以下の罰金も規定されている。
アドトラックをめぐっては、神奈川、埼玉、千葉の首都圏3県と3県内の5政令指定市のトップとでつくる「九都県市首脳会議」でも統一的な対応の検討会設置を合意。来年4月に向けて最終報告をとりまとめるという。(土舘聡一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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