自民党の派閥が政治資金パーティーを使って裏金を作っていた疑いが強まり、東京地検特捜部による捜査が本格化しました。何が問題なのか、どのように解決していくべきなのか。識者に聞きました。
「政治とカネ」を取材してきたジャーナリストの青木理さん(57)は今回の問題で、「裏金を配った側は背任、パーティー券の売り上げを派閥に納めず懐に入れた側は横領さえ疑われる。あるいは、脱税で摘発対象にもなり得る」と指摘します。
政治資金規正法で繰り返されてきた「記載漏れ」といった形式犯ではなく、刑事犯に当たるような行為が組織的に続けられてきたことを重くみます。「倫理の底が抜けた『論外の所業』です」
求められる「透明化」とは
与野党で政治改革や政治資金の透明化についての議論が始まりました。政治資金について研究してきた駒沢大の富崎隆教授(政治学)は、今回の問題を「健全で信頼に足る民主制を実現するための起点にしてほしい」と語ります。
富崎教授が必要だと考えるのは「透明化」です。
今の政治資金規正法では、パーティー券は1回につき20万円を超えなければ報告書に記載しなくてもよいことになっていますが、この金額を1万円に引き下げる。
政治家個人、後援会、政党支部と事実上三つの「財布」がある現状を改め、一本化する。
現金のやり取りは原則として禁止する。政治資金収支報告書の電子化を進める。
独立した監督機関を設け、政治資金をチェックする。不正に対しては、いきなり刑事罰を科すのではなく、第三者機関が行政罰を科す。
富崎教授はこうした改革で、不透明さを排していくべきだと指摘しています。(本山秀樹、田渕紫織)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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