新幹線に願いを――。JR九州は14日夜、九州新幹線の全線開通10年を記念した「流れ星新幹線」を特別運行した。車内にLED照明を積み込み、窓から光を放つ仕掛けを施したほか、公募で外装や車内のポスターに採用された777点の願いごとを乗せて走った。
6両編成の流れ星新幹線は午後6時35分、乗客を乗せずに鹿児島中央を出発した。進行方向の左側の全ての窓から7色の光を放った。河川敷など見晴らしの良い区間では一時減速しながら博多へ向かった。
福岡県筑後市の筑後広域公園では、ビューイングイベントが開かれた。公園前で一時停車した新幹線の車窓からは、音楽に合わせてサーチライトが放たれ、夜空には花火も打ち上げられた。会場には大型のスクリーンが設置され、住民が飛ばしたランタンや灯籠(とうろう)など、沿線の映像も映し出された。
願いごとはLINEで公募。全国から計8350点が集まった。「次の10年、今よりずっと強い心で走り抜けたい」「みんなのこころがつながりますように」「九州の新郎新婦みーんなみんな最高に幸せになって!」といった願いごとが採用された。
九州新幹線は2011年3月12日、全線開通した。前日には東日本大震災が発生し、JR九州は各地で予定していた式典を中止。16年の熊本地震では列車が脱線した。現在はコロナ禍で乗客が激減するなど、幾多の試練に直面してきた。
JR九州の青柳俊彦社長は記者会見で「10年、九州のみなさんに利用いただき、うれしく思う。いろんな経験を重ね、安定した運行ができるようになった」と振り返った。
流れ星新幹線は15日から5月28日までは光はともさずに、ラッピング列車として走行する。(松本真弥)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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