海のなかは音に満ちている 海自・現役潜水艦乗りが語る、鯨の鳴き声

会員記事

聞き手・小村田義之

潜水艦で海中の音を聴く「ソナーマン(水測員)」はときおり、不思議な抑揚のある音を耳にするそうです。鯨の鳴き声、です。海上自衛隊の現役ソナーマンに、その声について、また潜水艦で聞こえる様々な音について、聞きました。

リレーおぴにおん 「声を感じて」

 広島県呉市にある海上自衛隊呉基地の潜水隊に所属し、全長84メートルの最新鋭潜水艦「せきりゅう」のソナーマン(水測員)をしています。

 ソナーマンの仕事は、海中の音を聴くことです。水中音波探知機(ソナー)で音を収集し、その音が何かを解析、目標との距離を計算します。潜水艦には窓がなく、周囲の状況を音で判断して、航行や防衛にあたるのです。

 ある時、うおー、う、ううー、という犬かオオカミの遠ぼえのような音を聞きました。「何だろうな」と思い、先輩に尋ねると、「あ、鯨だよ」と。初めて聞いた音で「へえ、これが鯨の声なんだ」と思いました。

 低めの周波数で、音が伸びる…

この記事は会員記事です。残り685文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment