海の中、私を殺そうとした母の手の力 絶望と願いを娘は伝え続けた

 広島市の山本信子(38)は亡くなった長女(8)と別れ、教師の夫(39)を捜しに向かった。

 夫の学校は全焼。

 消息は、臨時の事務所で知らされた。

 1年生はあの朝、建物疎開の作業で川岸にいた。

 そこから約500メートルの場所に米軍が原爆を投下。

 12~13歳の旧広島二中1年生323人と引率教員4人が亡くなった。

 その教員の1人こそ、信子が19歳で初めて出会い、あの日の朝、疲れた様子で出勤していった夫だった。

「お母ちゃんもすぐに行くからね」

 翌日。信子は、次女の英子(6)と宮島に向かった。

 亡くなった長女と別れる際…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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