漁網やロープなど漁業関連の海底プラスチックごみは、「ゴーストギア(漁具の幽霊)」と呼ばれる。環境保護団体「WWFジャパン」(東京都港区)によると、海中で埋まったり、漂ったりしており、海の生態系や人の健康に影響する可能性もある。ただ実態はよく分かっておらず、同団体は自治体と連携した「調査隊」を発足させ、調査を始めた。ゴーストバスターズ(幽霊退治人)の取り組みとは――。
昨年9月、同団体の第1回ゴーストギア調査が静岡県西伊豆町であった。調査には町や地元漁協も協力した。地元で観光客のガイドなどをする「黄金崎ダイブセンター」のダイバー2人が、沖合約100~150メートルの地点で潜水。水深15メートルほどの海底を約40分間、カメラで撮影するなどして調べた。
調査報告によると、発見した海底ごみは16点。目視にとどまるため、全てがプラスチック製のゴーストギアとは断定できないが、主に古びたロープ類と漁網で、岩に挟まったり絡まったりしていたという。
ダイバーの一人、前田優子さん(38)は「ナイフで切れそうな細いものもあれば、どうやって引き揚げるのかと思うほど、太いロープもあった」と説明。その上で「ダイバーとして海の中で働き、生活している。海がきれいに越したことはないですね」と話した。
同町は伊豆半島の西側にある港町だ。伊勢エビやサザエ漁などの漁業が盛んで、ダイビングをはじめとするアクティビティーで訪れる人も多い。海があることによる観光産業を収入源の一つとする町にとって、海をきれいに保つことは「責務」と考えているという。
「ゴーストフィッシング」を引き起こす可能性も
ゴーストギアは、持ち主から…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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